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多くの建築家を生む「チリカトリカ大学」

PvEにインターン中の根本です。インターン中なので、みんなみたいに大学に留学してるわけではありません。そんななかでも大学教育について議論する機会もあるのですが、ここでは各インターンがどんなとこからどんな教育を受けて集まっているかと、チリの大学教育について重要な二人の教授を紹介します。今回は固くならないようにします!

 

PvEには世界中から次々とインターンがやってきます。主催する二人以外は基本的に流動的で、半年か一年くらいインターンをして自国に帰っていくんですね。

いい機会なのでみんなを簡単に紹介していくことにします。いろんな価値観を交換できるのがとてもいい環境になっています。

イタリア人のベアはスイスのイタリア語圏の大学、メントリージオの3年生です。ここでは学部生の時に半年のインターンが必須のようで、ほとんどの人が奨学金のとれるヨーロッパ内の事務所に行くのにも関わらず、ここに来ています。3年生でも強気で意見を言って混ざってくるのは国民性なのかもしれませんがちょっとおっちょこちょいすぎて何回ものを壊せば気が済むのかって感じです。

彼女の場合、芸術系というわけでもない完全にいわゆる文系で、高校の時から歴史や言語学を選択してきたと言っていて工学的な話は全くできないです。そもそもイタリアでの建築の捉え方の違いがここで如実に表れてます。

ポーランド人のビクターはプロの水彩画家です。水彩を始めたのは高校の時で、それは大学入試のためみたいです。ワルシャワにある大学は特に芸術系に特化してるわけではないみたいですが、面白い入試をしています。年によって全く違うようですが、例えば紙で動きを作りなさい、ただし使えるのははさみだけとか。筆記試験はなく高校のマークとこういったデザインの入試があるようで、面白そうですが入学する全員がこんな調子だとぞっとします。東工大にもありますが10%くらいです。

個人の性格によるところが大きいと思いますが、思ったことをすべて言わないと気が済まないようで、平気で人を怒らせても平気な顔をしています。嫌な奴ですが、やむをえずアパートをシェアしています。

ただ、水彩は本当に感動するくらいうまいのでたくさん学ぶべきところが多いです。言いにくい不満も勝手にPezoたちに言ってくれます。かなり重い議論になったこともありますが。

彼も理系の科目は全くやってなくて、時間の無駄だとも言います。

「じゃあどうやってコンクリートを理解するの?」と聞いたら、

「専門家に聞く」

と答えました。そんなレベルで建築に対する姿勢が違います。

ウィーン工科大から来てるトーマスとスイスのETHを卒業してるパブロはとても優秀で、ディテールについても理論についてもかなり詳しくて、日本の建築家についてもすごいよく知っています。二人はやっぱり工学系なので話がとても合います。似ているという意味では留学して間違いないといえる二つの大学でしょうね。二人はスペイン語が堪能で、仕事は実施図面をヘルプしています。

唯一の所員ディエゴはチリ人でこの街の近く出身です。大学卒業後、チリの南の方の島、チロエ島の世界遺産である木造教会群の修復の仕事をした後に、このオフィスに務めて3年になります。この秋からカタルーニャ工科大学に修士号を取りにいくようです。チリの大学は学費が高く、東京と変わらないです。一方でアルゼンチンは学費が無料になるチャンスが多いのでチリではたびたび学生運動やストライキのようなものがあるようです。

来月にはベルギーとアメリカからインターンが加わります。インターナショナルな小さな事務所というのも珍しく、お互い親密に知ることができるので、多少の価値観のずれを寛容すればいろいろなことを議論できていいと思います。自分の英語力なら大勢の中に入ったらその場にいるだけになってしまいそうなので、思い切って小さな環境に入ってよかったなと思ってます。

パブロのウェルカムディナーで最近のプロジェクトを紹介中

 

チリカトリカ大学に建つ、PvEのパビリオン

大学のイベントで設計の依頼があった。

ペンキ塗りから輸送、組み立てまでやったプロジェクトでafasiaというサイトに名前がのってうれしい

ここからはチリの教育事情について書きたいなと思いますが、留学してるわけじゃないので正直よくわかっていないです。ただ、スペイン語が話せるんだったら首都のサンティアゴにあるチリカトリカ大学は他のヨーロッパの大学と並ぶ選択肢に加わるのではと思います。僕もちょっとだけここに留学することを考えた時期もありました。なぜならスタジオ課題がPezoとSmiljan Radicだったから。そしてほとんどのチリの建築家はこの大学の出身です。Sofiaはブエノスアイレスの大学出身ですが、Pezoは学部をコンセプシオンの大学を出てから、チリカトリカ大学で修士を取っています。AlavenaもRadicもCecilia Puga、Sebastian Irarazavalもこの大学を出ています。

大学のキャンパスについて詳しく書こうと思うとRadicの事務所で働いていた原田さんの記事に勝ることはできないので、今回は多くのインターナショナルな建築家を輩出した教授の二人を紹介したいと思います。

原田さんのチリカトリカ大学の記事についてはこちら

 

http://www.dirac.gob.cl/la-arquitectura-consciente-de-perez-oyarzun/prontus_dirac/2016-10-12/163859.html

Fernando Perez Oyarzunはチリカトリカ大学の教授の一人で、歴史的な視点から建築を研究してるようです。この大学の先生と言えば二人の名前が挙がるらしく、そのうちの一人です。このFernandoは歴史・社会派でElemental のAlavena が師事したようです。彼は「Arquitectura en el Chile del siglo XX」という20世紀のチリの建築について著書があるようで、読まなきゃなぁと思っているところです。本当はあんまり詳しく知らない。

しかし、(北半球でいう)この夏にスペインの建築雑誌AV(Arquitectura Viva)にうちの事務所PvEが特集される予定になっていて、その巻頭論文のようなものを書いていただけるらしく事務所にインタビューしに来ていたところお会いしました。

もう一人はRodorigo Perez de Arce という教授でPezoが師事していました。彼はパブリックスペースやランドスケープ、都市集合住宅など広範囲にわたり活躍する建築家です。

2Gやa+uのPvE特集にも寄稿していてまさにPezoのことをよく知る師匠的存在のようです。

今回は教育について薄い知識で終わり方がわからないので、一つ豆知識を。

いまの時代、ウェブ上で見れる建築の新築ニュースなどが発展していて、似たようなサイトがいくつもありますよね。afasiaとかDEZEENとか。そのなかでもArchiDailyは有名だと思いますが、これはチリの会社なんですよ。

今回はこんなところで

nemo

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