スペイン・ガリシア地方 Santiago de Compostela
インターン先のスペイン、ガリシア地方のサンティアゴ・デ・コンポステーラに引越しました。
あまり馴染みのない町かもしれませんが、キリスト教の三大巡礼地(イェルサレム、ローマ、サンティアゴ・デ・コンポステーラ)のひとつとして知られています。
地理的には、最寄りの大きな都市はポルトガルのポルト(車で2時間半ほど)というところで、マドリッドまで600km弱、バルセロナまでは1000km以上あります。気候風土もいわゆるスペインの大半とは異なっていて、8月上旬の今でもう薄手のセーターが必要なくらい涼しいところです。
人口は10万人前後で、実はスイスのバーゼルと同じくらいだそうです。町に住み始めた感じとしては、コンパクトでほぼすべて徒歩で間に合うくらいです。ガリシア地方の丘陵地帯に囲まれていて、町越しに常に丘が見えていたり、街自体も坂が多かったりします。
旧市街に隣り合って、アルヴァロ・シザが初めて作った美術館(ガリシア現代アートセンターCentro Gallego de Arte Contemporaneo)があります。シザがギャラリーに使うライト等ここで初めて世に出た等、彼の建築要素がつまったとても良い建物だと思います。
同時に、この美術館の敷地は丘の上の方に公園が広がっていて、この公園のランドスケープもシザのデザインです。シザはコンペに勝ったあとに、敷地後方に広がる(当時人の手の入っていなかった)荒れていた公園を見て、公園のランドスケープを美術館とともにデザインすべきと確信し、市を説得したとのことです。
インターン先の事務所は、実はこのシザの公園に隣合っている建物にあって、日常的に使っていてもとても心地よい場所です。
インターン先の事務所( E S T A R) は、2011年に2人の建築家StefanoとAuroraによって始められた比較的若い事務所です。小さい町にひっそりとありながら、プロジェクトや設計への態度は極めてインターナショナルで、事務所ではスペイン語、英語、イタリア語、フランス語、ポルトガル語(ガリシア地方の方言と近いらしい)が臨機応変に使われます。
現在事務所では、コンペを経てスイスでの実施設計が2つ、リサーチプロジェクト、地元の個人住宅、改修、インスタレーション、そして家具デザインまでプロジェクトがあり、スケールを横断しながらすすめる仕事が特徴です。
また、空間の検討に沢山の模型を使用し、内観イメージまでを制作するところも特徴的だと思います。
1年間かけて、彼らの仕事や土地、設計に対する態度や感覚に触れることができたらいいと考えています。
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