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南スイスへ

私は、スイスのイタリア国境ちかくにあるメンドリシオ建築アカデミーAccademia di Architettura Mendrisioで修士課程に在籍しています。

2016年3月に北海道大学工学部(建築)で学部を卒業し、日本の大学院に進まず、こちらに入学しました。

2017年の7月で修士1年目が終わり、同8月から2018年7月まで1年間の実務(大学での修了条件)、2018年秋から修士2年に復学して2019年にディプロマを経て卒業の予定です。

 

日本の大学院に進まずにこちらに進学したのは、2012年から1年間留学していたイタリア(Politecnico di Torino)での建築教育、言語、環境を知っていたこと、日本の大学で行われている歴史意匠分野での学術研究があまり自分に合わないと思ったこと、なによりも、メンドリシオ建築アカデミーでスタジオを持つ建築家たちが魅力的だったことがあります。イタリアで学んだ歴史観や言語、日本で学び直した設計の基礎をもって、その建築家と2,3年じっくりスタジオの中で設計がしたいと思いました。

スイスには幾つか言語圏があり、建築教育機関はおおまかに、ドイツ語圏のETHZ、フランス語圏のEPFL、イタリア語圏のMendrisioといったところです。

大学の規模ではメンドリシオが一番小さく、1学年に120人程度で大半はスイス人とイタリア人学生、ヨーロッパの中では格段に小さい規模だと思います。これは、教員や建築家が学生を把握できるという意味でとても良いと思います。

 

私は、海外に住んでいるから、日本人であるから、というのを超えて、自分がどういう設計ができるかに興味があります。それはまた、自分が建築に携わっていく時に何を信じられるかということだと思います。それはひとつでないし、また変わっていくものでもあると思います。

この大学では、ひとりよがりにならず、歴史から、これまでの建築家の論理や思考や経験から、どういう建築を作ることに本当に意味があるのかを考える訓練ができると思います。ある意味ではスイス的な建築の組み立て方とも言えるかもしれませんが。学生やアシスタントや先生と、自分の設計を介してそのような議論をして、その考え方についての蓄積をしているような感覚があります。

修士課程でもスタジオで設計だけということはまったくなく、理論系の講義と試験も沢山こなさなくてはいけない大学で、試験前の本読みやペーパー書きも含めて建築の勉強一色といった感じの場所です。うまく息抜きができないと途方もなく疲れてしまうこともあるけれど、私はこうしてここで勉強できることを嬉しく思います。

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