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アーバンデザインから建築、さらにはインテリアまで。

はじめまして。スイス、チューリヒの建築都市設計事務所に1年間インターン、すでに帰国済みの山本です。帰国して半年以上が過ぎ、最近温かくなってくると、天国のようなチューリヒの夏を不意に思い出す、そんな日々です。今回は、インターン先が決まるまでの経緯と、実際のインターン内容について、思いつくままに書きたいと思います。

チューリヒ中央駅

まず、インターンに決まった経緯から。

初めはベルギーゲント大学に留学し、講義とスタジオどちらも取りながら、アーバンデザインと建築を学びたいなとぼんやり思っていました。なんでゲント大学なのかというと、アーバンデザインから建築までを通して学ぶことのできる大学がないかなーと思って探していたから。なんでベルギーなのかというと、オランダ、フランス、ドイツといった大国に挟まれている国だから。この三国は非常に個性が強く歴史的に見ても目立っていた国々。もちろん建築的に見ても、それぞれに個性があります。そんな中、ベルギーは大国の個性を取り入れつつ、自らの個性を打ち出そうとしている国なのではないか。そんな所に興味がありました。

ゲント大学への留学と平行して、スイス、チューリヒのとある事務所でのインターンの話を、東工大の先輩の鈴木隆平さんから教えてもらいました。それはHOSOYA SCHAEFER ARCHITECTSというインテリアから建築、アーバンデザインまでスケールを横断して設計を行なっている事務所。体験してみたいことは一致していますが、留学とインターンでは大きく違う。国も違う。ただ、スイスも大国に囲まれた国という点でベルギーと共通している部分はあるかなー、、、と。どちらもかなり魅力的でしたが、最終的には採用してもらえることになり、インターンすることになりました。最後まで悩みましたが、結局は直感で決めた次第です。

チューリヒ中心部にあるHOSOYA SCHAEFER ARCHITECTSのインテリアデザイン。日本の食品や工芸品などを売るお店。

次に、実際のインターン内容について。

HOSOYA SCHAEFER ARCHITECTSは、スイスやドイツ等を中心にインテリア・建築・アーバンデザインを行う設計事務所で、チューリヒに事務所がある15〜20人のオフィスです。所員さんはヨーロッパだけでなく、アメリカやカナダなどからも来ていて、非常に多様でした。1年間で多くのプロジェクトやコンペに携わる機会をもらいました。アーバンデザインから建築、さらにはインテリアのプロジェクトまで、程度の差こそあれざっと20以上のプロジェクトに関わりました。

一日の中でアーバンデザイン、建築、インテリアと「スケールを横断する」ような日々にあたふたしましたが、個人的には相当エキサイティングな毎日でした。所員さんもスケールの垣根なく、プロジェクトを掛け持ちしていて、柔軟な考えを持っていることが印象的でした。日々、「スケールを横断する」からこその視点も持っていて多様だなと感じました。

東スイス ヘリザウ(Herisau)の駅周辺再開発の提案。現在進行中のプロジェクト。

アーバンデザインとまちづくり

個人的にアーバンデザインという大きなスケールに対しての計画設計が自分のインターンの一つのキーワードだったかなと思います。トップダウン的なアーバンデザインに対して、ボトムアップ的な日本のまちづくりがあるのかなと感じました。お互いに良い点、悪い点はあるとは思いますが、建築家の役割・立場はどうやら違いそうだなと感じました。例えばですが、黒澤明監督の「七人の侍」で考えると、アーバンデザインでは建築家は侍側(志村喬たち)でいるのに対し、まちづくりでは建築家は侍と村人のどちらの性格も持つ菊千代(三船敏郎)のような役回りでいる必要があるのかなと感じました。

ドイツ ハンブルクの港湾エリアにおけるアーバンデザイン。現在進行中のプロジェクト。

今回は、インターン先が決まるまでの経緯と、実際のインターン内容について、思いつくままに書いてみました。携わらせてもらったプロジェクトが実際に建つのはまだ先になるかと思いますが、それを見に行くのが楽しみです。規模が大きいものは完成するのがいつ頃になるかわかりませんが、期待しながら待ってみようと思います。

HOSOYA SCHAEFER ARCHITECTSのwebサイト

東京工業大学大学院

山本 晃大

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