自然と導かれ、イタリア・ミラノへ
長野県の電車も走っていない田舎から大旅行をしていますオオシマです。
地元の山から撮った風景
ぼくは今、流行語大賞にも選ばれ注目されたサッカー選手とその新婦さんの幸せ風に便乗し、イタリアはミラノのPolitecnico di Milanoに通い始めました。まだ来て間もなく、この地の建築については深く語れない幼稚な者ですので、今回は単純にここを選んだ理由を語らせてもらいます。
そもそもぼくが留学を志したのは学部4年の時でしたが、その時は漠然と「ヨーロッパに行きたい」と思っており「この国がいい」みたいな考えはほとんどありませんでした。これだけ聞くと建築学生が何気なく考えそうなことですが、ぼくの場合ヨーロッパを意識していた理由が建築とはあまり関係ないところでありました。
The street of Como in Italy
知っている人は知っていますが、ぼくは映画鑑賞が趣味です。とりわけ洋画を多く観ます。なぜか小さい頃から邦画よりも洋画を好んで観ていました。今でこそ邦画の良さに気付くようになりましたが、邦画の変に現実味があり、フィルム感のある画面の明るさやレトロ感が「映画」という特別感を喪失させているような気がして好きではなかったのかもしれません。ぼくにとっての「映画」は、新しさがある非現実的なモノという認識が強かったように思います(それはまたぼくがそこそこの田舎育ちだから感じていたのかもしれませんが、、、)。
そうした映像の中には、美しいヨーロッパの街並みや建築、おしゃれな人を山ほど目にすることができました。それらは明らかにぼくの知っている「日本」とは違い、自然とそこに不思議な憧れを抱くようになりました。
さらに趣味とまではいかないところでも、ヨーロッパへの漠然とした意識付けがありました。それは音楽です。ぼくの母親はピアノ教室を開いており、実家にいるときは否が応でもクラッシック音楽が聞こえてきました。そのおかげかぼくもクラッシックが好きになり、ちょいちょいコンサートに行ったりしています(なのに自分ではピアノを弾くことができない、、、色々ありまして笑)。下田くんも少し語っていましたが、クラッシックは確かにかっちりと完成された音楽であり、少し敷居の高いものなのかもしれません。ただ小さい頃から身近で聞いてきたぼくとしては、単調なリズムの連続の中にも感じられる音の抑揚や響き、演奏者や指揮者一つで変わる世界観に心地よさと興奮を感じ、それを聞き取り入れることに違和感はありませんでした。
今考えるとぼくの興味ある建築はクラッシック音楽と似ているのかも、と思う節もなくはないですがこの話をすると長くなるし、下田くんの話と若干被ってくる可能性もあるので今回は置いておきます。
これがクラッシック音楽の本場であるヨーロッパ(西洋)に自然と惹かれていったもう一つの理由でもありました。
そんな「ヨーロッパ」に憧れを抱いていたぼくがなぜイタリアを選び、どうしてミラノにしたのか、その理由は結構単純でした。
Duomo in Italy
1つは、世界遺産が多いこと。言わずもがな、イタリアは世界最多の世界遺産保有国であり、そのほとんどが建築に関係しています。そうした環境下に身を置くことで楽しみながら建築を学べると思ったこと。
2つ目はスイスと同じように比較的ヨーロッパの中心に位置していること。漠然とヨーロッパに憧れていたぼくにとっては、留学する国だけでなくヨーロッパの様々な国に行ってみたいという思いがありました。その為どの国にもアクセスしやすい所に行くことが、留学場所を決める大前提でもありました。
3つ目に食事。これは皆が言っていますが留学するなら食事の美味しい所、というのはマストだと思っていました。事実食事には困らなさそうです。
この3つが数ある中からぼくがイタリアという国を選んだ理由でした。
そして最後にミラノにした理由。これもまた単純でした。
先ずは情報が得られやすかったこと。Politecnico di Milanoは大学の提携校であります。と同時にぼくが所属している研究室からも何人も先輩が行っていたこともあり、その場所の情報を細かく知ることができました。なんだかんだビビりなぼくとしては、事前に情報が把握できることは、とても安心できることでした。
またアルド・ロッシやジュゼッペ・テラーニ、レンゾ・ピアノといった著名な建築家を多く輩出し、建築の学校としてある程度の地位とネームバリューがあったことも決め手になりました。
Gallaratese Housings/Aldo Rossi
こうして改めて決めた動機を順を追って書いていくと、ぼくがずっと行きたかったのは「イタリア」というより「ヨーロッパ」というとても広い枠組みであり、しかも動機は建築あまり関係ないじゃんっていう、、、泣。
でも、だからこそ純粋に今いる場所をみることができるのだとも思っています。まだ生活を始めて数日しか経っていませんが、異国の建築にどんどん興味が湧いています。もちろん自分の理想と現実のギャップにがっかりすることもあります。
ただそうした中での新しい発見や美しい風景をきちんと切り取り自分のものにしていきたいです。
今はほんとに取っ掛かりしか語れませんが、これからこのイタリアにどっぷり浸かり、イタリア人顔負けのパッションと攻め気でがんがんアピールしていきます(理想)。
ちょっと長くなって申し訳ありません。
今回はこの辺で!!!
大島堅太
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