イタリア、どうしてそんなに美しいんだい。
こんにちは! イタリアのミラノに1年間留学していた園(その)です。
イタリアへの愛が大きすぎて書きたいことがたくさんありますが、誰かがブログテーマを決めてくれたおかげで暴走しなそうで何よりです。
でもとりあえずこれだけ言わせてください。
イタリアとっても良いところです‼
さて、今回のテーマは「なぜここに留学を決めたのか?」ですが、 私がイタリア留学を決めた理由は3つあります。
1.歴史的建造物・町並み保存の分野に興味があったから 2.インテリアにも興味があったから 3.ピザ
以上です。
あれ、終わっちゃった。
ちょっと味気ないので、ひとつずつ、イタリアで過ごしてみて実際どうだったのかを軽く書いてみようと思います。詳細まで書くと原稿用紙1000枚くらい必要になるのでまた別のブログテーマの時にしようと思います。
まず1つ目ですが、私は新しい建築をつくることよりも、今ある建物・都市空間を今後どう利用していくのか、そしてどう残していくのかを考える方に興味がありました。
理由は色々あるのですが、その1つは、学部の卒業設計で伝統的な街並みを有する地域を敷地にしたこともあって、日本の街並み保存活動について考えることが多かったからです。
そこで留学先として思い浮かんだのが、イタリア。
みなさんご存知のようにイタリアには50個以上もの世界遺産があります。世界一位の保有数です。 それくらい古くて良い美術品や建築がたくさん残っているのです‼ そんなイタリア、いわずもがな建築保存の分野がとても進んでいます。
私の通っていたPolitecnico di Milano(ミラノ工科大学)の中にもいくつか建築保存スタジオがあります。 私が取っていたスタジオでは、建築保存に関する文献調査から、素材の活用の仕方、そして実際に古い建物に数回訪れて、図面を描き、材料、工法、劣化部分の原因推察から修復方法の提案まで実に色々なことをしました。
調査対象のCa’ Granda(現ミラノ大学キャンパスの一部)
この授業をとってからさらに、イタリアの町が輝いて見えるようになりました。
町中いたるところに“歴史の積み重ね”の痕跡が色々な形で残っていて、街歩きするだけでとても楽しいです。
その国が大切にしている概念、深く根付いている概念は言語に強く表れるといいますが、
私の持っている伊日辞書を引くとイタリアの場合は「再び」という意味をもつ接頭語「ri」のつく言葉が大変多いです。40pある「R」の項目のうち、「ri」の項目が半分の20p 占めています。
さらに「修復」という意味の「restauro(英訳:restoration)」,「recostruzione(英訳:reconstruction)」, 「保全」という意味の「conservazione(英訳:conservation)」等、歴史ある産物を保存・再生して未来に残していくという文化的概念が言語に強く根付いています。 また、イタリアの各都市それぞれ特徴的な町並みを有していて、特に歴史的中心街は厳格なルールによって町並みが守られています。ちょうど日本の重伝建のような感じで。
白プラスター仕上げで統一されたロコロトンドの町(Locorotondo, Puglia)
赤茶色の屋根が特徴的なヴェローナの町(Verona, Veneto)
ただし、日本のように歴史的な建物が良い状態で残っている地域を丁寧に「メンテナンスすることで保存していこう」というよりも、「人間が積極的に使うようにして、保存していこう」という考えに重きを置いている印象があります。
それはつまり、歴史的中心街と呼ばれる地域を人の暮らしの中心の場にしていこうということで、隔離された遊園地のような場所にするということではないのです。
保存活動の歴史を話し出すと原稿用紙500枚以上は必要なのと、初回なので飛ばしすぎると引かれてしまうのではないかという恐怖から、詳しい説明はまた次回以降にしますが、まとめますと、イタリアやっぱりすごいわということです。
さて続いて理由の2つめですが、 どうも昔から絵を描くにしても物を作るにしても、細かい部分から入ってしまう性だったので、建築を学んでいる今、設計をしているとどうしても家具の大きさや形、配置の仕方 が気になって気になってしょうがない。 いっちょインテリアデザインの授業があってなんだかカッコよさげな響きのミラノにでも行って、インテリアに関する知識も身につけてくるか!と思ったわけです。 結果、大学では一切何も学べませんでしたが(というか授業が取れなかった)、ミラノで行われる展示会やインターンシップを通じて、少しインテリアデザインに触れることができました。
最大規模かつ世界的に有名な展示会は、ミラノサローネという家具見本市。
毎年4月のとある1週間、ミラノ郊外で開かれます。
私が面白いと感じたのは、同じ時期にミラノ市内の複数の地区で開催される小規模なデザイン展示会の方です。
普段は入れないような建物の中庭、工場跡地をリノベーションした空間が、一般の人に開かれ、広告・販売をします。この1週間でしか見ることのできないインスタレーションもたくさんあります。
なんだか旅行代理店の人っぽくなっちゃいますが、この時期のミラノは超オススメです。
工場をリノベーションした空間で展示会が行われている。座るところたくさんあるし最高。
ショッピングストリートからちょっと入ったところにあるパビリオンのような空間。
普段は何もないのに、突如学生の設計図面が展示されていてビックリ。
また、現在ミラノでインテリアデザイナーをされている方のところで数ヶ月お世話になりまして、家具の展示会場の図面、アクセサリー制作等ほんのわずかですがお手伝いをさせてもらいました。 彼のデザインする家具だけでなく、部屋に飾ってあるラフスケッチ、小物や使っているお皿など全てが私好みで、全部ください‼と幾度となく頼んだことか・・・
もちろん断られました。
写真は何枚も持っていますが、載せていいのか分からないので、そのデザイナーさんのHPだけ載せておきます。興味のある方は是非是非。
OMI TAHARA
ラタンで作られたフルーツバスケットのような椅子に座った時、包まれているような安心感を覚えました。
いつかこれを我が家に置くのが夢です。
そして理由3つ目。 思いっきりピザって書いてしまいましたが、正しくは「食べ物が美味しい」です。時間があるときに訂正しますのでご容赦ください。 本当のことを言うと留学前のイタリアに対する期待度は、
建築<<<<<<<<<<<<<食べ物でした。
イタリアはどこで食べても美味しいって評判だったので、仕方ありませんね。別に私が食べ物のことしか考えてないとかではありませんよ。
私と同じ時期に、カナダからミラノに留学に来ていた友達がイタリアに来た理由なんて、「子供の頃から美味しいパスタに憧れていた。」ですからね。
パスタに憧れるってなんだよ。
まぁ、そのくらいみんな食べ物を求めに来てるんですね〜〜。 もちろん私は食べ物のことしか考えてなかったとかではありませんよ。
長さ1mのピザ。すごくおいしい。
南イタリアで食べた海鮮パスタ。お腹空いた・・・
真面目な話をすると、イタリアでは食と建築は大きな関わりがあるので、食について考えることはとても大事なことなのです。 イタリアのご飯が美味しいのはすなわちイタリア人の食に対するこだわりがとても強いということであって、それは数年前から盛んになってきたスローフード、スローシティ運動、そしてアルベルゴディフーゾの展開といった、農村や街再生へのきっかけにもなっています。 また、それぞれの地域の料理に今でも強く個性があるのも、もちろん気候・地理によるものもありますが、150年ほど前のごく最近まで、高いレベルで発達していた小さな国同士が集まって、イタリアが成立したという歴史的な理由もあります。ここら辺も建築や都市計画と関係ある話になってくるのですが、やっぱり長くなりそうなのでまた今度。
というわけで、イタリアに留学をした理由と、実際どうだったのかを簡単に書いてみたわけですが、正直行く前はそんなに深く考えていなかったと思います。
日本にいるときも、海外にいるときも、なぜイタリアを選んだのかよく聞かれましたが、
「イタリア・・・君じゃなきゃダメなんだ・・・」的な理由はありませんでした。
それが今では
「イタリア・・・君が恋しい・・・」になってますからね。
それくらいイタリアのパワーはすごい。
これからもイタリアへの愛のこもったブログ書いていこうと思います。がんばります。
さて次のブログの人は、とある驚くべき国へ行き、すさまじいことになったあの人です‼
乞うご期待‼
園
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