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どのような街に住み、生活をしたいか

ねもに続いて、ブログを書いてみようと思います。

岩田です。

僕はスペイン/バルセロナのETSAB(Escola Tècnica Superior d'Arquitectura de Barcelona)に留学しています。

ETSABは100年以上の歴史があるスペインでも随一の建築の名門校でもあり、

Antoni GaudiやEnric MirallesJosé Antonio Martínez Lapeña & Elías Torres など名だたる建築家の出身校です。

この学校は3000人以上の生徒と300人以上の教授が在籍している、いわゆるマンモス校。

でも日本みたいに学校数が多くないから、基本的にスペインの建築学校はどこもそうらしい。

スペインは日本の建築教育と異なっていて、学部は6年間、修士は1年or2年間(コースによって異なる)。

学部を卒業すれば自動的に建築士の免許を取得できることになっているので、

殆どの人は学部を卒業して働きはじめる。

修士はどちらかと言うと海外向けにつくられたコースって感じかな。

学部を卒業すれば建築士の免許をもらえることもあり、Diplomaは構造や設備もほぼ実施レベルまで設計し図面にしなければならず、その完成度の高さにはとても驚かされます。

ETSABの特徴としては建築のデザインスタジオとアーバンデザインスタジオがあることで、アーバンデザインの成功例として有名なバルセロナらしく、アーバンデザインスタジオにはとても力が入っている。

また建築のデザインスタジオでも、まずは都市の中に建築がどういう位置づけで建てられるのかを模索し、リサーチも都市レベルから敷地周辺まで満遍なくやっていく。

校舎は中心地から少し離れたところにあり、日建設計が改修を担当するカンプ・ノウスタジアムの近く。

校舎の増築部はスペインのモダニズム建築界を牽引したJ.A.Coderchが設計している。

雲一つない青い空の中で輝くオレンジ色の曲線の建物はいかにもスペインっぽい。

僕は留学かインターンか最後まで悩み続けたんだけど、

最終的に留学を選んだ理由としては東工大以外の場所で建築を教わってみたかったから。

学部からずっと同じ大学だし他の場所でどのように教育されているのか知らなかったし、

特に東工大は閉鎖的で特殊だから、一度は違う世界に身をおいて勉強した方が良いかなって思って。

でもインターンもやりたいから、セメスターが終わった後の三ヶ月位インターンする予定。

 

で、本題の「なぜここに留学したのか」っていうことについて書いていきたい。

元からヨーロッパの洗練された街並みとか建築への憧れがあって、

留学行くならヨーロッパに行きたいなーってのはずっと思っていました。

自分の興味が改修とか保存だったから綺麗な街並みが残ってるところに行こうと思ってた。

でも色々調べていくうちに、そんなガチガチに保存しているところには興味がなくて、

古いものをどう残して未来に受け継いでいくか、

歴史とか自然とか様々なコンテクストの中でどう建築が建ちうるか、

っていうところに興味が出てきた。

その自分の興味と合致したのがスペインで、さらに地中海の豊かな気候とおおらかな建築、明るい人々に憧れてスペインに決めました。

雲一つない空、コバルトブルーの海(徒歩圏内)

さらにスペインは"スペイン"という言葉で一つに括ってしまうのが暴力的すぎるほど、

それぞれの地域は気候も風景も文化も全く異なっていて、驚くべき多様性を持っている。

さらに元々言葉や民族も違うのでなおさら。

カタルーニャ、カスティーリャ、バスク、アンダルシア、ガリシアと、

それぞれの地域で建築が全く異なっていて、建築とその環境の関係にも興味があった。

それぞれの地域でそうした環境の違いに呼応するように建物が建てられ、その形式もさることながらそのマテリアルも様々。

スペインの中でもバルセロナを選んだのは、

バルセロナを代表する建築家のGaudiとMirallesへの興味から。

最初はこの2人はただ造形が激しいだけでピンとこなくて、どうすごいのかちゃんと理解したくて、

直感的に行ってみて感じないとわからないんだろうなと思ったから。

来てみてわかったけど、やはりこの2人の建築家は写真じゃ全く伝わらない良さがあった。

これについては今度書きたいと思ってます。

まあ色々理由はあるけど、最終的な決定打は海と山があり自然との距離が近くて、

この街に住んでみたい!って思ったからかな。

やっぱり一年間住むっていうことはその場所の文化とか自然に触れることで、生活の中で学ぶことも多いから、そういう感覚は大事にしたいと思って決めました。

教育とか環境の違いは色々あるけれども、一年間住むってことを考えた時に、どのような街で、どのような生活をおくりたいか、っていうのはとても重要だと思う。

やっぱり日常的な生活の中での学びが最も多い気もするので。旅行では体験できないことを体験することが出来るし、知ることも出来る。

そしてバルセロナに来て感じたのは、圧倒的に光が違うってこと。この強い光と建築の関係性もいろいろあって面白い。そして美しい。

バルセロナ・パビリオンに差し込む光

あとは、市民がちゃんと街に誇りを持って街全体を良くしようとする意識が素晴らしい。

そして豊かな外部空間には常に人が賑わう。街の使いこなし方がうまい。

みんな陽気だし、悩んでるのが馬鹿らしくなるくらい、人生を楽しんでいる。

4ヶ月でまだまだ掴めないことも多いけれども、残りの時間でもっとバルセロナを、スペインっていう国を、知ることが出来るように頑張りたい。

最後にスペインらしい言葉で締めます

¡Vamos poco a poco!

(焦らずに行こう)

イワタ

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